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マウスピース矯正のデメリット

マウスピース矯正は多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、マウスピース矯正を検討する際に知っておくべき主な欠点について詳しく説明します。 これらのデメリットについて、事前に担当医と十分に相談し、対策や代替案を検討することで、より満足度の高い矯正治療を受けることができます。

マウスピース矯正の不明点などは、那須歯科グループで診療の際に、ご相談ください。

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マウスピース矯正9つのデメリット

マウスピース矯正は、多くのメリットがありますが、残念ながらデメリットもあります。
費用が高額装着時間の厳守が必要複雑な状態の患者様の場合は対応が難しい治療期間が長くなる可能性話し方や発音への影響定期的な通院の必要性食事や飲み物の制限紛失や破損のリスクアレルギー反応の可能性、などのデメリットを考慮した上で、患者様ご自身の生活スタイルや優先事項に照らし合わせて、マウスピース矯正が適しているかどうかを慎重に判断することが重要です。

マウスピース矯正のメリットについても記載しておりますので、ご確認ください。

1.費用が高額

当院が採用しているマウスピース矯正は、企業努力により比較的に安価で提供ができます。 しかし、他社製マウスピース矯正の最も大きなデメリットの一つとして、治療費用が高額があげられます。
従来のワイヤー矯正と比較して、マウスピース矯正は一般的に1.5倍から2倍程度の費用がかかります。具体的な費用の目安は以下の通りです。

矯正方法平均費用(税込)
<大・色付き>当院のマウスピース矯正10万円〜70万円
マウスピース矯正50万円〜150万円
従来のワイヤー矯正30万円〜100万円

他社のマウスピースは、カスタムメイドのマウスピースの製作コストや、3Dシミュレーション技術の使用、定期的な交換などが要因となっています。また、保険適用外の自由診療であるため、全額自己負担となることも費用面でのデメリットと言えます。

2.装着時間の厳守が必要

マウスピース矯正の効果を最大限に得るためには、1日20〜22時間の装着が推奨されています。これは、食事時と歯磨き時以外はほぼ常時装着する必要があることを意味します。この装着時間を守ることは、以下の理由から重要です。
・治療効果の最大化
・治療期間の遵守
・歯の移動の安定性確保 など
しかし、この厳格な装着ルールは、特に社会人や学生にとっては大きな負担となる可能性があります。
例えば、会議や授業中、デート時などに装着を忘れたり、外したままにしてしまうケースも少なくありません。

3.複雑な状態の患者様の場合は対応が難しい

マウスピース矯正は、軽度から中度の歯列不正に適していますが、重度の不正咬合や複雑な歯の移動が必要な症例には適していない場合があります。
以下のような症例では、マウスピース矯正よりも従来のワイヤー矯正が適している可能性が高くなります。
・大幅な歯の回転が必要な場合
・垂直方向の歯の移動が必要な場合
・顎の形態自体を変える必要がある場合
・臼歯部の大きな移動が必要な場合 など
このため、治療開始前の診断で適応症例かどうかを慎重に判断する必要があります。場合によっては、マウスピース矯正と従来の矯正を組み合わせたハイブリッド治療が提案されることもあります。

4.治療期間が長くなる可能性

マウスピース矯正は、従来のワイヤー矯正と比較して、治療期間が長くなる傾向があります。これは主に以下の要因によるものです。
・歯の移動速度が比較的緩やか
・装着時間の遵守が難しい場合がある
・複雑な症例への対応に時間がかかる など
一般的な治療期間の比較は以下の通りです。

矯正方法平均治療期間
マウスピース矯正1年〜2年程度
従来のワイヤー矯正1年〜1年6ヶ月程度

ただし、個々の症例や装着の遵守度によって実際の治療期間は大きく異なる可能性があります。

5.話し方や発音への影響

マウスピースを装着することで、特に治療初期には話し方や発音に影響が出る可能性があります。これは、口腔内の空間が変化することによるものです。
主な影響としては以下が挙げられます。
・軽度のリスプ(舌足らずな発音)
・「サ行」や「シ行」の発音の変化
・唾液の分泌量の一時的な増加 など
多くの場合、これらの影響は数日から数週間で慣れて改善されますが、人前での話す機会が多い職業の方や、スピーチやプレゼンテーションを行う機会が多い方にとっては、一時的にでも支障となる可能性があります。

6.定期的な通院の必要性

マウスピース矯正では、通常4〜6週間ごとに歯科医院への通院が必要となります。この定期的な通院は以下の目的で行われます。
・治療の進捗確認
・新しいマウスピースの受け取り
・必要に応じた調整や追加処置 など
この頻繁な通院は、特に忙しい社会人や遠方に住んでいる患者にとっては負担となる可能性があります。また、通院にかかる交通費や時間も考慮する必要があります。

7.食事や飲み物の制限

マウスピース矯正中は、食事や飲み物の摂取に一定の制限が生じます。具体的には以下のような点に注意が必要です。
・マウスピース装着中は水以外の飲食は避ける
・熱い飲み物を飲む際はマウスピースを外す
・食事後は必ず歯磨きをしてからマウスピースを装着
・着色の強い食べ物や飲み物(コーヒー、紅茶、カレーなど)に注意 など
これらの制限は、マウスピースの変形や着色を防ぎ、口腔衛生を維持するために必要ですが、日常生活に影響を与える可能性があります。特に、頻繁に外食をする方や、コーヒーなどの嗜好品を楽しむ機会が多い方にとっては不便を感じる点となるでしょう。

8.紛失や破損のリスク

マウスピースは着脱可能であるため、紛失や破損のリスクがあります。特に以下のような状況で問題が発生しやすくなります。
・外食時にナプキンと一緒に捨ててしまう
・旅行中に忘れてくる
・ペットに噛まれて破損する
・不適切な保管方法による変形 など
マウスピースの紛失や破損は治療の進行に影響を与えるだけでなく、追加の費用が発生する可能性もあります。多くの歯科医院では予備のマウスピースを用意していますが、再作製には時間とコストがかかります。

9.アレルギー反応の可能性

まれではありますが、マウスピースの素材に対してアレルギー反応症状が出現する方もいらっしゃいます。主な症状としては以下が挙げられます。
・口腔内の炎症や腫れ
・かゆみや痛み
・舌や唇の違和感 など
アレルギー反応が疑われる場合は、直ちに担当医に相談し、適切な対応を受ける必要があります。場合によっては、別の素材のマウスピースに変更したり、従来の矯正方法に切り替える必要が生じる可能性もあります。